ビーチ・ボーイズ ブライアン・ウィルソンの死。訃報が続く中、ミュージシャン・近田春夫と作家・適菜収が音楽体験の原点を語る!【近田春夫×適菜収】
【近田春夫×適菜収】新連載「言葉とハサミは使いよう」第4回
■チェッカーズと家族経営
適菜:小学校に入ると、チェッカーズが大人気でした。小学3年生のときに授業が終わった後のホームルームで、大きな紙にチェッカーズの歌詞が書かれ、それを見ながら、クラス全員で歌わされるということがありました。「涙のリクエスト」とか。「翼をください」とか他の曲を歌う日もあったのですが、当時は「なにがチェッカーズだ、けっ!」みたいな感じで。40を越えてから、チェッカーズのよさがわかるようになりましたが。
近田:チェッカーズ、学校で歌わされたんだぁ(笑)。チェッカーズはクールスのオマージュだね。編成を見ても。クールスの元はシャナナだね。
適菜:九州出身の元不良という設定の歌詞が多いですね。「OH!!POPSTAR」とか「Jim&Janeの伝説」とかも。
近田:チェッカーズの仕掛け人は秋山道男。
適菜:チェッカーズがオールディーズをやっているのは、好きです。ドゥーワップとか、ブラックミュージックが好きなんだろうなというのが伝わってくる。
近田:いいよね。そういえば藤井フミヤと藤井尚之の兄弟それぞれに歌詞書いたことあるよ。
適菜:おお。なんてタイトルの曲ですか。
近田:フミヤは「far away」、弟は「キスの嵐」だったかな?
適菜:「キスの嵐」、今、見ました。いいですね。尚之、フミヤに声が似ている。兄弟だから当たり前かもしれませんが。
近田:声似てる。顔は似てないけど。
適菜:フミヤのお母さんは、尚之をチェッカーズに押し込んだんですよ。
近田:そうなんだぁ! 知らなかったぁ。
適菜:そういう家族経営みたいな感じもいいですね。
近田:だね!
適菜:スライもジョージ・クリントンも家族をバンドに入れる。九州は家族の絆が強いような気がします。
近田:うん。ファミリーだ!
文:近田春夫×適菜収